よもぎ茶は、古くから健康に良いとされ、漢方でも利用されてきた人気のお茶です。
しかし、最近では「よもぎ茶は肝臓や腎臓に悪いのでは?」と心配する声も増えています。
よもぎ茶には確かにリラックス効果やデトックス効果が期待できる一方で、過剰摂取や体質に合わない場合、副作用が現れることがあります。
特に、肝臓や腎臓への負担、子宮への影響、さらにはアレルギー反応にも注意が必要です。
本記事では、よもぎ茶を安全に楽しむためのポイントを解説します。
副作用を知ることは必須!
- よもぎ茶が肝臓に与える影響とそのリスク
- よもぎ茶の過剰摂取が腎臓に与える負担
- よもぎ茶の副作用と注意すべき体質や状況
- 漢方におけるよもぎの特性とそれに基づく注意点
よもぎ茶は肝臓や腎臓に悪い?
漢方において、よもぎは「艾葉(がいよう)」と呼ばれ、さまざまな薬効を持つ生薬として知られています。
健康に良いとされる一方で、肝臓や腎臓に対して悪影響を及ぼす可能性があるため、漢方の視点から注意が必要です。
過剰摂取による肝臓負担
よもぎには多くの植物化合物が含まれていますが、これらは肝臓で代謝されます。
肝臓は体内で解毒作用を担っており、摂取した食べ物や飲み物に含まれる成分を処理する重要な役割を果たしています。
しかし、よもぎを過剰に摂取すると、肝臓に負担がかかりすぎることがあります。
特に肝臓がすでに弱っている人や、肝臓に病気がある人にとっては、これが原因で肝臓の機能がさらに低下するリスクがあります。
肝臓の負担が増すと、解毒作用がうまくいかず、体内に有害物質が蓄積されることがあります。
これが長期的に続くと、肝臓の健康を損ない、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるため、適切な量を守ることが大切です。
肝臓の「熱」を増す可能性
漢方では、よもぎは「温性」の性質を持つとされています。
つまり、体を温める作用があると考えられます。
この温性は、体の中で特に肝臓に「熱」をもたらすことがあり、それが「熱毒」と呼ばれる状態を引き起こす可能性があります。
「熱毒」は、肝臓の過度な活性化や炎症の原因となることがあり、これが肝機能に悪影響を与える可能性があります。
特に、普段から体内に熱を持ちやすい人や、ストレスが多い人は注意が必要です。
肝臓に「熱」が溜まりすぎると、肝機能が乱れ、体調不良を引き起こすリスクが高まります。
このため、体質や体調に合わせて、よもぎ茶の摂取量を調整することが重要です。
腎臓の負担増加
よもぎには利尿作用があることが知られています。
利尿作用とは、体内の水分を排出しやすくする働きのことです。
一見、利尿作用は体に良さそうに思えますが、過剰に働きすぎると腎臓に負担がかかる可能性があります。
腎臓は体の中で老廃物をろ過し、尿として排出する役割を担っていますが、よもぎ茶を過剰に飲むことで、腎臓が過度に働かされ疲弊してしまうことがあります。
これにより、腎機能が低下し、腎臓の健康に悪影響を与える可能性が高まります。
特に、もともと腎臓が弱い人や腎臓病を抱えている人は、よもぎ茶の利尿作用による影響を強く受ける可能性があるため注意が必要です。
肝臓と腎臓の「陰」を損なう可能性
漢方では、「陰」と「陽」のバランスが重要視されており、これが崩れると健康に悪影響を及ぼすと考えられています。
よもぎは「温性」を持つため、体内の「陽」を強める一方で、「陰」を消耗させる可能性があります。
肝臓と腎臓は共に「陰」の性質が強い臓器とされており、よもぎ茶を多く飲むことでこの「陰」が損なわれることが懸念されます。
肝臓と腎臓の「陰」が不足すると、体の潤いが減り、疲れやすくなったり、免疫力が低下したりすることがあります。
これは、特に体が「陰虚(いんきょ)」の状態にある人にとって、健康を維持する上で大きな問題となり得ます。
陰虚(いんきょ)の状態って?
体が「陰虚(いんきょ)」の状態にある人とは、漢方医学において「陰」の要素が不足している状態の人を指します。
「陰」とは、体内の潤い、冷静さ、栄養、休息、そして体を冷やす力を象徴する概念です。
「陰虚」は、体の熱を抑える力が弱まり、次のような症状が現れることが多いです。
- 喉や皮膚の乾燥が強い
- ほてりやのぼせがある
- 寝汗をかきやすい
- 口や喉が渇く
- 目の乾きや視力低下
- 動悸がしやすい
「陰虚」は、栄養や潤いが不足し、体内のバランスが崩れている状態とも言えます。
適切な休息と栄養補給が必要で、体を過剰に温めるものや刺激の強いものは避けた方がよいとされています。
既存の肝腎疾患との相互作用
すでに肝臓や腎臓に疾患がある人が摂取する際には特に注意が必要です。
成分が、肝臓や腎臓での薬物代謝や老廃物の排泄を妨げる可能性があり、結果として病状を悪化させるリスクがあります。
漢方では、個々の体質や症状に合わせて慎重に摂取を管理することが求められるため、自己判断でよもぎ茶を大量に飲むことは避けるべきです。
必ず医師や漢方専門家の指導を受け、安全に摂取できるかどうかを確認することが大切です。
これらの理由から、肝臓や腎臓に問題がある人、またはそのリスクが高い人は、よもぎ茶の摂取を控えるか、適切な量を守ることが重要です。
よもぎ茶を楽しむ際には、自分の体調や体質をしっかりと見極め、無理のない範囲で楽しむよう心がけましょう。
よもぎ茶の副作用
よもぎ茶が合わない人もいます
アレルギー反応に注意
よもぎ茶は、その独特な香りと風味で多くの人に愛されていますが、よもぎにアレルギーを持つ人にとっては注意が必要な飲み物です。
アレルギーがある場合、よもぎ茶を飲むことで、皮膚にかゆみが生じたり、目や鼻がむずがゆくなったりすることがあります。
さらに、くしゃみや鼻水が止まらなくなり、日常生活に支障をきたすことも。
もっと深刻な場合、呼吸が困難になるアナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあるため、アレルギーの有無に心当たりがある場合は、慎重に飲むべきです。
妊娠中・授乳中の女性への影響
妊娠中や授乳中の女性がよもぎ茶を飲む際は、特に注意が必要です。
よもぎには子宮を刺激する成分が含まれているため、妊娠中に摂取すると、流産や早産のリスクが高まる可能性があります。
さらに、授乳中の場合、この成分が母乳を通じて赤ちゃんに伝わることが考えられ、赤ちゃんに対しても影響を与えることが懸念されます。
よもぎ茶を楽しみたいと考えている妊婦さんや授乳中の方は、事前に医師に相談することが非常に重要です。
過剰摂取による胃腸の不調
健康効果が高いとされるよもぎ茶ですが、何事も過ぎたるは及ばざるが如し。
よもぎ茶を過剰に摂取すると、かえって体に負担をかけることになります。
特に胃腸が弱い人にとっては、よもぎ茶を大量に飲むことで、胃のむかつきや腹痛、さらには下痢といった不快な症状が現れることがあります。
よもぎ茶に含まれる成分が、胃腸に刺激を与えすぎることが原因です。
毎日飲む場合でも、1日1〜2杯を目安に、適量を守ることが大切です。
血液凝固への影響
よもぎには、血液をサラサラにする効果があるとされていますが、これが逆に、血液が固まりにくくなるというリスクを伴う場合があります。
手術前や怪我をした時に出血が止まりにくくなる可能性があるため、注意が必要です。
特に、血液を固まりやすくする薬を服用している人や、出血しやすい体質の人は、よもぎ茶を飲む前に必ず医師に相談することをお勧めします。
よもぎ茶を作るときの注意点
よもぎを採るときに、注意する事があります
安全な場所での採取
春から初夏(4月〜6月)がよもぎを採取する最適な時期です。この時期のよもぎは柔らかく、香りが強いです。
古い葉や硬い茎は、苦味が強くなりすぎることがあります。
よもぎは自然の中で簡単に見つかりますが、汚染された場所や農薬が散布されている可能性のある場所で採取すると、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
必ず清潔な環境で採取するようにしましょう。
よもぎの識別
よもぎと似た植物(例えば、毒性のある植物)と間違えないように注意してください。
よもぎの特徴は、葉の裏側が白っぽく、触ると少し毛が生えていて柔らかい感触があることです。
確実によもぎを識別できる自信がない場合は、専門家に確認してもらうのが安全です。
乾燥工程での注意
乾燥が不十分だと、カビが生えやすくなり、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
完全に乾燥するまでしっかりと時間をかけましょう。
また、乾燥中は埃が付かないように注意し、清潔な場所で行うことが大切です。
保存方法
乾燥したよもぎは、湿気を避けるために密閉容器に入れ、涼しく暗い場所で保存します。
湿気が入るとカビが生えたり、品質が劣化する原因となるので、特に梅雨時期や湿度が高い時期には注意が必要です。
適量を守る
よもぎ茶は、適量であれば健康に良い効果が期待できますが、過剰に摂取すると肝臓や腎臓に負担がかかる可能性があります。
毎日飲む場合は1〜2杯を目安に、無理なく楽しむことが大切です。
これらのポイントに注意しながら、自然の恵みを取り入れた美味しいよもぎ茶を楽しんでください。
まとめ:よもぎ茶が肝臓や腎臓に悪いとされるのはなぜ?注意すべき副作用も知っておこう
- よもぎ茶は肝臓に負担をかける可能性がある
- 過剰摂取で肝臓に「熱」が溜まり、機能が乱れる恐れがある
- 肝臓が弱い人にはよもぎ茶の過剰摂取は避けるべきである
- 方の視点でよもぎは「温性」であり、肝臓に「熱毒」をもたらす可能性がある
- よもぎ茶の利尿作用は腎臓に負担をかけることがある
- よもぎの「温性」は肝臓や腎臓の「陰」を損なう可能性がある
- 肝臓や腎臓に疾患がある人は、よもぎ茶を摂取する際に注意が必要である
- よもぎ茶の成分は既存の肝腎疾患と相互作用し、悪化させる可能性がある
- よもぎ茶はアレルギー反応を引き起こすことがある
- 妊娠中や授乳中の女性は、よもぎ茶の摂取を控えるべきである
- よもぎ茶の過剰摂取で胃腸に不調をきたすことがある
- よもぎ茶は血液凝固に影響を与える可能性がある
- よもぎ茶を作る際は、清潔で安全な場所でよもぎを採取する必要がある
- 乾燥不十分なよもぎはカビが生えやすく、健康に悪影響を与える可能性がある
- よもぎ茶は適量を守ることで安全に楽しむことができる